One Young Worldでの体験が未来を切り拓く(前編) ―「One Young World Summit 2022 社内報告会」実施レポート―

 次世代リーダーの育成とグローバルな交流を目的とした世界最大級の国際プラットフォーム、One Young World。2010年以降、開催地を変えながら年に一度、開かれるサミットには今や196ヵ国、約2,200名の若者たちが集結、「どうすれば世界が良くなるのか」をメインコンセプトにさまざまな問題提起や意見交換を活発に行うことで世界の見地を共有し、地球規模のネットワークが生まれる一助となっております。

アミューズは文化創造企業として世界がひとつとなるための「原動力」を発信することが社会的使命と考え、One Young Worldの活動理念に深く共感し、2015年よりこのサミットへの所属アーティストや社員の派遣を開始いたしました。今年9月にイギリスのマンチェスターにて開催された“One Young World Summit 2022”には過去最多人数となるアーティスト1名、社員5名に加え、一般公募より核兵器のない世界の実現を目指して活動するナガサキ・ユース代表団2名の総勢8名が参加いたしました。当社では毎回帰国後に現地での様子やそこで感じたこと、今後について考えたことなどを報告する機会を設けております。10月18日に西湖本社「AMUSE VILLAGE(アミューズ ヴィレッジ)」にて行った今年度の報告会の様子を当社社員およびアーティストの報告を中心にレポートいたします。

2015年からアミューズが参加を続けてきた
One Young World Summitとは?
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今年の“One Young World Summit 2022”には196ヵ国、約2,200名もの若者が参加し、イギリス・マンチェスターの中央会議場を会場として9月5日~8日の4日間に渡り、SDGsをはじめ、世界が直面している様々な課題に焦点を当てて様々なセッションやワークショップが繰り広げられました。

One Young Worldとは?
https://oywj.org/?lang=ja


 2022年度は、社員・アーティストの派遣と同時に参加希望者を一般からも広く公募いたしました。当社内にとどまらず日本中の若者に広く社会課題に対して問題意識を持ち、高い志と視座のもとで自分たちの存在意義と向き合いながら、何ができるかを考えて行動を起すことのできる人に育ってほしいという想いがそこにはあります。

エンターテインメントへの昇華に繋がる体験
One Young Worldだからこそ得られる発見とは

 報告会には当社から派遣した参加者全員が登壇(1名はリモート参加)。なお、聴講にはオンラインも含め、約100名の社員が参加し、この取り組みに対する関心は年々高まっていることが実感できます。
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 当社社員による発表では、活気に満ちたサミットの様子から、参加したセッションやワークショップで得たものが「業務上のコミュニケーションに活かせるのではないか」、このサミットで聴いたスピーチ内容を「自身がマネージメントしているアーティストに還元したい」と自身の業務に重ね合わせて考える者や、SDGsに掲げられている世界的な社会問題について世界中の参加者と議論する中で、日本では意見をやり取りする機会自体が少なく、「今まで自分の意見を持つということをあまりしてこなかったのでは?」と自問したという報告もありました。また、「日々の忙しさに関わらず、原体験を持っている人は社会問題に興味を持てるのではないか」という気づきから、「問題を自分の言葉で語れるようになることで、結果としてエンターテインメント企業らしく、それをより多くの人たちにわかりやすく面白く届けられるのではないか」など、それぞれが現地でしか感じ得ない貴重な体験をすることで発見し考えたこと・感じたことを共有いたしました。

社会的な価値観とアーティストとしての価値観の違いを痛感
“人種のボーダーレス”を掲げて今後も活動するという新たな決意
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 平和構築のためには対話やコミュニケーションが重要であることをこのサミットで再確認したというナガサキ・ユース代表団の発表に続いて、報告会を締め括ったのはアーティスト・シャラ ラジマ(以下、シャラ)でした。バングラディッシュにルーツを持ち、「褐色の肌に金髪、青い目」という容姿で「私は何人でもない」をコンセプトに人種のボーダレスを表現し、バラエティ番組、情報番組、モデルなど幅広く活動するシャラ。One Young Worldへの参加理由を「自身の活動が世界基準の場でどういう視点で見られるのか体験してみたかった」と告白。名札を見ないとどの国出身かもわからないほどにグローバリゼーションが進んでいると感じられたサミットの会場でしたが、シャラのような容姿で、しかも日本から参加しているということに驚かれたり珍しがられることも多く、結果として改めて自身の希少性を思い知らされたのだと言います。「もちろんルーツは大切ですが、例えば私の血筋的に髪の毛を黒ではなく金髪にしていることは特別視されても、白人はどんな髪色でもあまり疑問に思われないという状況に、やはり本当の意味での平等の実現はまだまだ遠い」と感じたこと、だからこそ「今後も“人種のボーダレス”というテーマを掲げて活動を続けていく」と決意を新たにしたシャラ。加えて、社会的な価値観とアーティストとしての価値観の違いを目の当たりにし、それぞれの立場で問題意識を共有する難しさを痛感したことや、日本の社会的状況が世界ではほとんど周知されていないこと、また、現状では世界が向き合うべきあらゆる問題に対して声を上げることに重点が置かれたままで、どれもまだ本質的な解決からは少し遠いと感じられたことなどを率直に語りました。

アミューズがOne Young Worldに参加する意味と
エンターテインメントの持つ力と可能性

 閉会にあたり挨拶をした代表取締役会長 大里洋吉は「僕が最後に言える言葉なんてないなと思いながら、聞かせてもらった」と参加者を労い、「シャラが言っていたように、わかってもらえないことも含めて、そういう問題意識を持って帰ってきただけでも素晴らしいこと。これを続けていくことで社会貢献や平和、よりよい将来を達成する一助になれば、アミューズグループがOne Young Worldに参加させていただいている意味はあると思います。そして若い人たちをはじめ社員全員に彼らの感じてきたことが伝わって、拡散していくことを願っています」と結びました。

 この報告会で参加者の言葉に通底していたのは、【エンターテインメントの持つ力と可能性】です。One Young Worldに参加するにはそれなりの英語力が求められますが、オープニングセレモニーでのショーなど、エンターテインメントによって生まれる感動や熱狂に言葉は不要です。また、エンターテインメントをきっかけに親密な交流が生まれたり、日本という国に対する世界のポジティブな反応を感じられたことなどへの言及も多くありました。そして、様々な社会課題に対して問題意識や意見を社員が互いに持ち合うこと、ディスカッションを通じてそれらをエンターテインメントに昇華していくことの重要性、アーティストが持っている影響力を最大限に発揮することで、エンターテインメントの力を日本だけではなく世界に伝えていくことがアミューズにはできるのではないかという提言もありました。
よりよき世界、よりよき未来を実現するため、One Young Worldで得たこれらのヒントがどうアミューズに生かされていくのか、今後の展開にご注目いただけたらと思います。

▼シャラ ラジマ「One Young World」参加メッセージ
“One Young World Summit 2022”へ参加したシャラ ラジマが参加した経緯や感想などを話しております。



シャラ ラジマ オフィシャルサイト:https://www.amuse.co.jp/artist/A8976/index.html


▽「One Young World Japan」オフィシャルサイト
https://oywj.org/?lang=ja

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