平間壮一が主催する、ダンスイベント「S×?vol.2 RADIO BOX」。2022年4月17日(日)に東京・有楽町よみうりホールにて開催しました。
平間が企画・構成を務めるこの「S×?」公演を開催するのは2018年12月以来、約3年ぶり。今回は“ラジオの公開生収録”という設定のもと、7年ぶりの共演となる千葉涼平さん(w-inds.)や、“チーム・ハンサム!”メンバーの青柳塁斗、太田将熙、新原泰佑、そして上京して以来のダンスの師匠である振付師のakihic☆彡さんをゲストに迎え、軽妙なトークを交えながらゲストとともに熱いダンスセッションを披露しました。
ステージにセットされたラジオブースに座って、軽快なBGMとともにスタートした「RADIO BOX」のパーソナリティを務めるのは、もちろん平間。
「ダンスだけで自分のイベントをやりたいと始めた『S×?』を3年ぶりに開催することができました」と、始めにイベント開催への思いを語りました。今回のラジオ企画は、彼が担当していたラジオ番組を復活してほしいという声もあり、生まれたそうですが、この“ラジオの公開生収録”という企画は、コロナ禍での感染防止対策をしっかりとした会場で大きな歓声をあげられない観客に向けて、今出来うる限りの中で最上級のエンターテインメントを見せられる、よく練られた企画だったのではないかと思います。それでもレスポンスのないやり取りに「ちょっと寂しいね」と苦笑いを見せた平間でしたが、一つ一つのパフォーマンスに贈られる大きなクラップや温かい拍手、そしてマスク下の笑顔が、平間の心を支えたに違いありません。
早速、SNSに届いたファンの方からのメッセージや質問を読んでいく平間。「今回、ハンサムメンバーの太田将熙さんと新原泰佑さんをキャスティングした理由は?」との質問を受けて、アミューズ所属の若手俳優達による“チーム・ハンサム!”の説明を軽くした後、白い椅子が3脚出てくると、次に展開される楽曲に気がついた観客が思わず声を上げます。太田と新原を呼び込み、椅子を使ってのクールなダンスパフォーマンスを見せたのは、“チーム・ハンサム!”のオリジナルナンバー「Dress Up」。“チーム・ハンサム!”で1、2位を争うぐらい難しいと言われているこの曲を、キレよく力いっぱい踊りきった3人は、息も切れ切れの中、「気持ちいい!」と笑顔を見せました。舞台「FROGS」で共演したときのお互いの印象や共演エピソードでひとしきり盛り上がったあと、汗も乾かぬうちにミディアムなダンスチューン「Butterfly」でしなやかなダンスを披露。短い時間の中で、後輩達のパフォーマンスとキャラクターをしっかりと引き出した平間が「ありがとう!」と2人を送ろうとしたとき、場内に新日本プロレス・内藤哲也のテーマソングが高らかに鳴り響きました。その入場曲とともに登場したのは、白いマスクを被った青柳。太田・新原コンビが颯爽とステージを去ると、北海道で子供の頃に出会い、同じ事務所に入り、同じ飛行機で同じ日に上京してきた青柳との幼馴染トークが炸裂。子供時代に一緒に撮ったあどけない表情の写真を見ながら、思い出話に花を咲かせました。続いて上映された1999年撮影のダンス映像には、9歳の頃の平間と青柳と、スクールの先輩である千葉涼平さんの姿も。思いがけない貴重なダンス映像に、会場は大いに沸きました。その後、平間が大好きなナンバーだと言うSIRUP「Your Love」で軽やかなダンスを見せた2人は、意外にも「2人だけで一緒にパフォーマンスしたのは初めて」だと言います。ダンス中、顔を見合わせる度に笑顔が溢れていたのは、そのせいだったのかもしれません。
続いて呼び込まれたのは、スペシャルゲストの千葉さん。ステージに登場するなり、ブレイクダンスナンバーでのショートムーブで会場を圧倒しました。「オファーをしたらすぐにOKをくれた」と笑顔で語る平間に対し、「めっちゃ嬉しかった」と答えた千葉さん。「お兄ちゃんが出てきてくれて、一気に安心しちゃった。任せていいかなって」と、ほっとした表情を見せた平間でしたが、2人がダンススクール生当時沢山聴いていたというRUN DMCのナンバーでは、息の合ったコンビネーションで華麗なダンスを、その後メロウな楽曲に乗せ、ハットを使い、ストーリーの見えるような情感豊かなダンスを千葉さんとともに披露し、会場を魅了しました。
「2人のターニングポイントとなる曲はありますか?」という質問に、平間は映画「YOU GOT SERVED」の中のダンスバトルを挙げました。「ダンスバトルを味わってもらえたら」という平間の言葉を合図に音楽が鳴り始めると、赤い衣装と青い衣装を着た5人のキッズ達がステージに登場。赤チームには平間、青チームには千葉さんがつき、二手に分かれて激しいダンスバトルを展開。その迫力に会場のクラップも熱を帯び、どんどん大きくなっていきました。同じく「ターニングポイントの曲は?」という質問に、「やっぱりw-inds.のデビュー曲(「Forever Memories」)かな」と答えた千葉さん。その流れで、w-inds.の振り付けも担当したこともあり、今回のイベントの振り付けも担当した振付師、akihic☆彡さんが呼び込まれました。Daft Punkの「Get Lucky」に乗せた流麗な動きは、思わず息を呑むほど。途中から平間、千葉さんも加わり、師弟揃ったパフォーマンスは感動を呼びました。3人が思い出話に浸っている中、akihic☆彡さんが振り付けをしたw-inds.の「変わりゆく空」が流れると、akihic☆彡さんは「覚えてないよ」と言いながら、千葉さんと一緒にしっかりと踊って見せるシーンも。
終始和やかに進んだ「RADIO BOX」も、いよいよ終盤。ステージに残った千葉さんは「濃厚でした」と振り返り、平間は「本当に試行錯誤しながら作っています。これからもいろんなことを考えながら、いろんな形でイベントをやれたらいいなと思います」と、これからの展望を語りました。そして、ラストナンバーのNSYNG「POP」を平間、千葉さん、青柳、太田、新原の5人でパフォーマンス。見事な5人のシンクロ、個性豊かなソロパートと、見どころ満載の力強いダンスに、この日一番の大きな拍手が贈られました。一度ステージを捌けたメンバーは、鳴り止まない拍手に応えてもう一度ステージへ。千葉さんとかたく抱き合った平間は、「今、ちょっと泣きそうになっちゃった」と破顔します。再び青柳、太田、新原を呼び込み、「本当にありがとうございました」と感謝の思いを述べ、大団円を迎えました。
最後のMCで平間は、「まだまだ油断できない状況ですが、改めてエンタメって必要だなと思いました」と、イベントを無事に開催できた思いを噛み締めました。このコロナ禍で苦渋を飲んだエンターテインメントの火を再び盛り上げてくれるのは、諦めずに前を向いて突き進み、たくさんの人の笑顔を作る彼らのようなパフォーマー達でしょう。そんな思いで胸を熱くした一夜でした。