株式会社アミューズは、2024年6月1日(土)山梨県西湖に複合型レストラン「Restaurant SAI 燊」を開業します。料理長には、「ゴ・エ・ミヨ」3年連続受賞、2023年度農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」を受賞した豊島雅也氏を迎え、「奥・山梨料理」をコンセプトに、富士北麓の稀有な自然に育まれた食材を使った新ジャンルのガストロノミーを提供します。また、敷地内では「食を通して生き抜く力を学ぶ」ためのさまざまな取り組みも行う予定で、栽培、養蜂、狩猟、発酵などが実践できる設備を設け、食の新たな可能性を追求する拠点となることを目指します。なお、レストランは2024年3月15日(金)より予約受付をスタート、5月には開業に先駆けて東京都内のイベントにも出店予定です。
開業の背景
アミューズは、2021年に山梨県の西湖に本社を移転して以降、山梨の様々な地域資産を活用し、地域の生産者、事業者、クリエイターの協力を仰ぎながらライフカルチャー事業を進めてきました。その活動のなかで、富士河口湖町でレストラン「TOYOSHIMA」を営む豊島シェフと出会い、技術力の高さもさることながら、人柄、料理に向き合う姿勢、そして地域に息づくあらゆるものに興味をもち料理に反映させていく創造性に感銘を受け、両者が共創することで、この価値をより多くの人に体験していただきたいと模索してきました。
これまでも、2022年「山の日 Edventure Clubプログラム」「五感で楽しむ富士山麓のレストラン」、2023年「シェフズコラボレーションダイニング第1弾・第2弾」「西湖収穫祭」などの企画を共同で開催してきましたが、2023年の新部署「Life Lab.」立ち上げを契機に、これまでの取り組みをより高いレベルで中長期的に続けていくための拠点をつくりたいと構想し、このたびの「Restaurant SAI 燊」の開業が実現しました。
ガストロノミーの舞台となる西湖
レストランが位置する富士五湖のひとつ「西湖」は、世界文化遺産に登録される「富士山〜信仰の対象と芸術の源泉〜」の構成要素のひとつで、多くの芸術作品とゆかりが深い景勝地です。山に囲まれた穏やかな湖面は、一年中標高約900mの水位が保たれ、朝は霧に包まれる幻想的な姿を見せます。西湖の南岸をとりまく青木ヶ原樹海は、誕生してから約1200年という若い森で、溶岩の上のわずかな土に必死に根や苔を張る姿は、世界でも珍しい個性的な景観と生命力を感じさせ、標高差や気温差が激しく、水や温泉、土壌といった火山の恵み豊かな特徴は、山梨県を象徴するにふさわしい場所です。アミューズは2021年に当地に本社移転して以来、日々地域の魅力を発見するなかで、個性的な食材が手に入るだけでなく、西湖の自然から多くのインスピレーションを受けることで、創造性豊かな料理を生み出すことができると考えました。
料理コンセプトは「奥・山梨料理」
「奥・山梨」とは、「Restaurant SAI 燊」が位置する西湖が、富士五湖のなかでも山深く奥まっていることに由来し、世界でも稀有なこの場所だからこそ手に入る食材の味わいを「奥・山梨料理」として昇華させ、常に食の新しい世界を追い求めるお客様へ提供したいと考えています。
調理の基本は薪火。さまざまな火力を操りながら、富士北麓の食材がもつジビエ、キノコ、山菜、高原野菜、淡水魚などの深い味わいを引き出していきます。焚付けとなる樹木にもこだわり、富士山に自生する植物や樹皮を香りによって使い分け、スープのブイヨンやスパイスにも、富士山で採集される天然の葉や芽を使うなど、従来の概念にとらわれず「生きとし生けるものをすべていただく」という発想で挑む新たなガストロノミーとなります。
ペアリングには、山梨ワインだけでなく、県産の日本酒、クラフトジン、クラフトビールなどの多彩なお酒との組み合わせを予定。県内のワイナリーや蒸留所の協力を得て、奥・山梨料理をさらにひきたてるマリアージュをご用意します。
食の可能性を追求する複合型レストランとしてのチャレンジ
「Restaurant SAI 燊」では、「食を通して生き抜く力を学ぶ」をテーマに、食にまつわる様々な実践をおこなう予定で、食の新たな可能性を追求する拠点としても機能します。
敷地内には、ハーブガーデンや野菜の自家畑、きのこや山菜の採集、養蜂ができるエリアを造成し、栽培された食材をつかった発酵や熟成のほか、将来的にはジビエの食肉処理場も構想中です。CO2排出削減のための落ち葉を使ったコンポストの採用、廃棄食材を使ったリプロダクト製品の開発などにも挑戦。シェフやスタッフとともに、食を扱う専門家から富士河口湖町を訪れるインバウンド層までが気軽に参加できる体験イベント、地元ワイナリーや生産者とのペアリングイベントも開催予定で、食にまつわるあらゆる活動にチャレンジできる拠点として、また、生きとし生けるものすべてにアンテナを巡らせ、創造的な知の探求をおこなう場として、活気あふれる場所になることを目指します。