世界で得られた学びや気づきが、新しい夢の原点に。アミューズ×One Young World、参加者インタビュー【後編】

アミューズが2015年より続けている、若手人材による世界最大級の国際フォーラム「One Young World Summit(以下、OYW)」への自社アーティストや社員、一般公募枠での参加者の派遣。2024年度はアーティスト1名、社員2名、一般公募枠1名の計4名を、開催地であるカナダ・モントリオールに派遣しました。

今回、その4名にインタビューを実施し、OYWに参加したきっかけや、現地での学び、今後の目標などについて、たっぷりと語ってもらいました。本稿はその後編です。

▽アミューズ×One Young World、異なる4つの視点から紐解く世界との出会い【前編】
https://www.amuse.co.jp/topics/2024/11/one_young_world4.html


「アメリカで芝居をする」 OYWを経て描いた新たな夢

――古屋さんは、OYWに参加してどのようなことを感じましたか?

古屋:大きな夢に挑戦し、情熱を持って生きることのかっこよさを改めて思い出すことができました。現地では本当にたくさんの方と話をしたのですが、例えばケニアの方は、自国の貧困問題を解決するために、貯蓄と家計管理の大切さを伝える教育を普及させたいと熱く語っていたのが印象的でした。

僕ぐらいの年齢になると、どうしても現実を見て、自分の限界をなんとなく決めてしまいがちです。これまで抱いていた情熱や夢を諦めて、今の自分にできる範囲で何事もこなそうとしてしまうのですが、さまざまな国の方と話す中で、それではいけないなと痛感しました。

塩川: 呂敏さん、OYWに参加したことで新しい目標ができたんですよね。

古屋:そうなんです。いつかアメリカで芝居をしたいと思っています。

――OYWの中で、そう思うようになった具体的なきっかけが何かあったのですか?

古屋:現地で出会った多くの方に、「それだけ英語が話せるのに、なぜアメリカで俳優をしないの?」と聞かれたのがきっかけです。僕からすればハリウッドなんて夢のまた夢で、日本市場で活動することがベストな選択だと思っていたのですが、海外の方からはそうは見えていなかったんですね。英語ができる日本人として、もっとエンターテインメントの本場で活動したらいいのにと言ってくださる方がほとんどでした。そうした"自分の殻を破る"考え方には、本当に大きな影響を受けました。

塩川:新たな夢を持ってからの呂敏さんは、それを具体化するための行動がかなり早かったです。アメリカに拠点を移して活動する日本出身の俳優さんとコ ンタクトをとって話を聞こうとしたり、ブロードウェイで芝居を観たりして、本当にいろいろなことを考えているようなので、マネージャーとしても彼の夢を応援しサポートしていきたいと思っています。

古屋:佐内さんと塩川さん、僕の3人で、OYWの終了後にブロードウェイに行ったんですよ。ニューヨークに4日ほど滞在して、さまざまな芝居を観ましたが、どれも刺激的で、素晴らしい経験ができました。どうやったらアメリカで活動を展開できるかについて、塩川さんともその場でアイデアを話し合うことができて、一歩前に進めた感覚があります。アーティストとマネージャーが一緒に参加するのも、すごく勉強になると思いますね。

塩川:帰国後は、会長からも応援メッセージをいただいたんですよね?

古屋:そうそう。僕の新たな夢を報告したら、「呂敏、アメリカ行け!俺が許す!」と、とても熱くて粋な言葉をいただきました(笑)。今はとにかく、新しい夢に向けて自分にできることを精一杯やってみるつもりです。挑戦しなければ成功には近づけませんし、どういう結果になろうと、まずは行動を起こしてみようと。

得られた気づきを未来へ。俳優、音楽、社会課題の解決......夢への挑戦は続く

――皆さん、OYWで本当に良い経験をされたのですね。では、OYWで得たものを今後の仕事や活動にどのように活かしていきたいか、目標をお聞かせください。

佐内:OYWで世界各国の方と話をして、ポルノグラフィティのマネジメントに関して様々なアイデアが生まれたので、そのいくつかを実現させられたらと思っています。例えば、僕が日本出身であることを伝えると、ほとんどの人からアニメの話題が出てきたのが、すごく印象的で。

塩川:古屋さんと僕、佐内くんの3人でタクシーに乗ったときも、運転手のおじさんとアニメや漫画の話題でめちゃくちゃ盛り上がったよね。ポルノグラフィティが主題歌を担当したアニメの話も出てきて、佐内くんが担当マネージャーだということを伝えたら、その場で曲を流してくれたんですよ。最初はすごく愛想の悪いおじさんだったけど(笑)、アニメ・漫画という共通言語で国の垣根を超えて一気に仲良くなれた感覚は良い経験でした。

佐内:日本のアニメが海外で文化として広く受け入れられていることを強く実感した経験でしたよね。アニメと音楽は相性が良いコンテンツですし、最近ではアニメをきっかけに日本のアーティストが海外でライブをする機会も増えています。今は世界中にファンを広げやすい時代になったと思うので、アニメ主題歌も1つの選択肢として視野に入れつつ、ポルノグラフィティの音楽を世界に伝えていけたらと思います。

塩川:僕はやはり、いつか自分に子どもができたら、英語を勉強する大切さをしっかりと伝えたいですね......。という冗談はさておき(笑)、現地で環境や平和などさまざまな話題に触れて、自分がいかにそうした問題を深く考えてこなかったか、突きつけられた感覚がありました。日本の社会のあり方を振り返る大きなきっかけにもなったので、これをどう仕事の中で生かすのか、まだ見えていない部分もあるのですが、今後の活動の中で海外志向を持って取り組むなど、何かしら還元していくことができればと考えています。

原田:実は、OYWに参加するまで、周りの同級生が就職活動をしているのを見て「このまま収益化が難しい社会課題の解決に取り組み続けていいのだろうか」と、今後の進路について少し迷い、不安を感じていました。でも、今回さまざまな方との出会いを通じて、これからも社会課題の解決に向けてトイレ研究を続けていこうと決心することができました。現地には30代前後の参加者も多かったのですが、21歳という今後の進路を考えるタイミングでOYWに参加できて本当に良かったです。

塩川:そういえば原田さんは、2025年からモントリオールに行くんだよね?  

原田:そうなんです。2025年からモントリオールに拠点を移し、インクルーシブな社会制度やマイノリティの方々の暮らし、トイレのあり方など、現地で暮らさなければ分からないことをたくさん吸収してこようと思っています。OYWで知り合ったイギリス・アメリカに本社を置く大手コンサルティング企業の会長職を務める方が、私を社員として採用し、研究を支 援してくださることになったんです。研究だけでなく、私自身も自分の会社、UN&Co.で次世代の若者たちが海外に行くことを支援する事業をスタートさせる予定なので、これからやりたいこと、叶えたい夢がたくさんあります!

古屋:僕は先ほどの「OYWで得られた気づき」の話と少し重複しますが、これから改めて大きな夢を抱くこと、情熱を持って目の前の物事と向き合うことを大切にしていきたいです。OYWの会場では、誰かが実現までのハードルが高い大きな夢を語っても、それを無駄だ、無理だとさげすむように笑う人は誰一人としていなかったんですよ。OYWの創業者が「自分が怖いと思うくらいの夢でなければ小さすぎる」と話していたことがあるそうなのですが、僕も今後の活動の中ではその言葉とOYWの会場の雰囲気を胸に刻んで、自分の限界を超えていくような目標にチャレンジしていきたいです。OYWで「エンターテインメントが持つ発信力の強さ」を再確認できたので、今後僕の作品づくりにも活かしていきたいと思います。

■One Young World Summitとは
次世代リーダーの育成と国際交流を目的とした地球規模のサミット。190を超える国や地域から、18~32歳 を中心とした若手人材2,000名以上が一堂に会し、気候変動から紛争解決まで、世界が直面する様々な課題の解決を目指して、ディスカッションやスピーチ、ワークショップなどを行う。2009年の世界経済フォーラムで宣言されたことが開催の大きなきっかけで、2010年2月にロンドンで第1回サミットが開催されて以降、開催国を変えながら、継続的に実施されている。

<参加者プロフィール>
■古屋 呂敏/Furuya Robin
俳優、フォトグラファー、映像クリエイター。京都府出身で、日本語と英語を話すバイリンガル。ハワイ州立大学やマサチューセッツ州立大学で学び、2019年5月よりアミューズに所属。ドラマ出演や写真展の開催など幅広い領域で活動中。

■塩川 智之/Shiokawa Tomoyuki
古屋の担当マネージャー。2016年アミューズに入社し、2017年より演劇ユニット TEAM NACSを7年ほど担当。現在は有坂心花、藤原大祐の若手俳優2名と古屋のマネージメントを中心に手がける。

■佐内 佑/Sanai Yu
ポルノグラフィティの担当マネージャー。2021年アミューズに入社。音楽分野のマネージメント業務に携わることを希望し、入社直後から現職。

■原田 怜歩/Harada Ramu
東京大学経済学部3年生。アミューズの一般公募枠でOYWに参加。幼少期から「マイノリティ×トイレ」の課題に関心を持ち、16歳で渡米。オールジェンダートイレなどの研究を行う。その後、コロナ禍発生により緊急帰国した後、株式会社UN&Co.を設立し、トイレマップアプリの開発や「トイレ白書」の発表などを手がけている。

*社員の所属部署などの情報は2024年11月時点のものになります。

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