昨年10月26日に70歳を迎えた小倉久寛。俳優やナレーターとして長年活躍し続けている小倉が、自身の幼少期や役者を志すキッカケとなったエピソード、恩人である三宅裕司との出会いについて、古希の節目によせて語りました。
シャイで人前に出るのは苦手だった幼少期
小倉:ちっちゃいときは可愛かったんですよ。こんなに可愛かったんだという写真がいくつも残っているんですけど、こんな感じになってからは老けて見られた少年でしたね。中学生のときは床屋に行くと「大将、今日は会社休みですか?」って言われたり、高校生の時のあだ名は「おっさん」でした。当時は川でうなぎを捕ったり、鮎を捕ったりして遊びました。成績は悪くはなかったですけど、人前で意見を言うことや喋ることは苦手で恥ずかしがり屋な、そんな子どもでした。
役者を志したキッカケと三宅裕司との出会い
そんなシャイな子どもだったと話す小倉が役者を始めたキッカケについても聞きました。
小倉:普通に大学を出てそのまま就職をして、というつもりでいたんですよ。そうしたらオイルショックというものがありまして、すごく不景気になって、思ったように就職活動ができなくて。何をしようかな、どうせなら楽しいことをしたいなと思っていたときに、中村雅俊さん出演の「俺たちの祭」というドラマを観たんです。それが演劇青年の話で、稽古場で稽古をしてそのあとにみんなで居酒屋でわーっと楽しく盛り上がっているのがすごく楽しそうで。あ、じゃあ劇団に入ろう!と思ったのがキッカケですね。
その後、情報誌を見たら「大江戸新喜劇 旗揚げ公演」というのが目にとまって、観に行ったら三宅裕司が主演でやってまして、すごく面白くて。そこで(劇団に)入れてもらったんですね。
のちに同じくアミューズ所属となる三宅裕司との付き合いも50年近くになるという小倉に、二人の関係性について改めて聞きました。
小倉:"仲のいい友達"っていう感じではないですよね。大江戸新喜劇に自分が入ったとき、もうお客さんを手玉に取って笑わせてた三宅さんがいて、(自分は)上手も下手も何にもわからないっていう関係がそのまま続いている感じで。すごい大先輩なので、"冗談が言い合える友達"じゃなくて、"冗談が言い合える大先輩"。そんな感じですかね。
古希を迎え、年齢を重ねることについて
劇団に入り、役者としてのキャリアがスタートしてから現在、芸能活動45年の小倉。そして古希を迎えた今、年齢を重ねることについて感じていることを話してくれました。
小倉:若いときってね、いろいろ欲があるじゃないですか。あれやりたいこれやりたい、ああなりたいこうなりたいっていう。それで色んなことをやってみた結果、無理だったり、自分には合ってないなって思うじゃないですか。ひょっとしたら良くないことかもしれないけど諦めも入ってたりなんかして。そういうのが削られていって、年齢を重ねてくるとぼーっとゴールが見えてきて、あそこに行けばいいんだ、こうすれば良いんだっていうのが少しずつ自分で思えるようになってきたことで、生きていくのが楽になってきたような気がします。
2月に開催する小倉の生誕70年を記念したコントライブへの意気込み
年齢を重ねることに前向きで、ずっと変わらず舞台に立ち続ける小倉。そんな小倉の生誕70年を記念したコントライブ「小倉久寛 生誕70年記念 コントライブ ザ・タイトルマッチ3 お楽しみはこれからだ~ You ain't heard nothin' yet ~」が2月21日より、新宿・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて開幕します。
小倉:今回で(コントライブは)3回目なんですけど、普通コントをやって楽屋に戻って着替えてまた舞台に出てきてコントをやってというのをやるんですけど、そういうのを全部舞台上でやるんですよ。本当に休まらないコントライブになると思います。
そして、三宅さんがボケて僕がツッコミというのがあるらしいんですけどこれが大変だなぁって。今まで人にツッコまれながら、流されながら生きてきたので、人生で初めての出来事が起こりそうなコントライブです。良かったら観にいらしてください。
なかなか見ることのできない小倉のツッコミにも注目のコントライブ、ぜひご期待ください。
また、アミューズオフィシャルYouTubeチャンネルでは、小倉の飾らない人柄を伝えるべく緊急企画として10秒以内に回答する"一問一答コーナー"も実施。モーニングルーティーンや特技披露など小倉らしさが垣間見える様子もぜひ、今回のインタビューと併せてご覧ください。
▽アミューズオフィシャルYouTubeチャンネル内オリジナルコンテンツ「A!PRESS」
「小倉久寛 古希記念インタビュー」
https://youtu.be/hZmxKinhJJo