コーポレートレター/ライブ・ビューイング・ジャパン「より多くの人がエンターテインメントに触れられるきっかけ作りをしていくのが僕の仕事です」【前編】

2011年にアミューズを含む4社によって設立し、コンサートや舞台、イベントなどを国内外の映画館に中継し、上映をするライブ・ビューイング事業のパイオニアとして成長を続けてきたグループ会社の株式会社ライブ・ビューイング・ジャパン(以下、LVJ)。

2025年4月には、シンガポールのネットワーク技術会社Caton Technologyと共同で、「LIVE VIEWING ENTERTAINMENT Pte. Ltd.(以下、LVE)」を設立しました。市場拡大が見込まれるアジアでの事業確立と、ライブ・ビューイング事業およびイベントシネマ配給事業を展開し、さらなるグローバル化を目指します。

今回は2013年にアミューズからLVJに出向後、2018年に転籍し、LVEの立ち上げを担うことになった執行役員の馬場恭平にインタビュー。前編では、LVJで積み上げてきたライブ・ビューイング事業の経験について語ってもらいました。

テレビ番組のADから社会人人生がスタート

――まずは馬場さんのこれまでの経歴を教えてください。

2007年にアミューズに新卒で入社しました。当時は部署別採用で、僕はアーティストマネージメントの職種ではなく、テレビ番組の制作を希望し、運よく内定をいただくことができました。いわゆるAD(アシスタントディレクター)から社会人人生を始め、制作現場のイロハを学ばせていただきました。

2013年の6月にLVJに出向したのですが、きっかけは所属していたテレビ番組制作部が消滅の危機に瀕したから(笑)。今後どうするかを決めるときにLVJから声をかけていただいたので、「求められたところに行こう」と決断しました。

――最初に任された仕事は何だったのでしょうか?

生中継における現場進行業務でした。配属2ヶ月後の2013年夏に開催されたサザンオールスターズの茅ヶ崎ライブの案件は、その中でも特に印象に残っています。出向して間もなかったにも関わらず現場を任せてもらえたのですが、ライブ制作や映像制作、音声収録、そして肝となる中継技術についていかに未熟だったかを痛感しました。テレビ制作とは考え方、ルールなどが違い、非常に鍛えられた現場でしたね。

その後は、中継・配信コンテンツの獲得を担うプロデュース業務に移行して、アミューズ案件だけでなく、外部の方との繋がりも広げていきました。もともとテレビ番組制作部時代の繋がりで「ライブ・ビューイングをやってみたい」というご相談や、すでに実施していただいた取引先から新規の取引先をご紹介いただけるなど口コミ効果もあり、徐々にコンテンツ数を増やしていけた運の良さもあったと感じています。

ライブ・ビューイングは、中継コンテンツを獲得しないことには仕事が始まらないので、「いつ、どこで、誰が、何を、行うのか」という情報にとても敏感になりましたし、情報が世の中に発表される前に、ライブ・ビューイングの実施提案を取引先にすべく、とにかく多くの人に会って、コミュニケーションの輪を広げる意識を持ちましたね。在籍12年となる現在も業務の根本的なところは変わりません。コンテンツを獲得するという目線は24時間365日忘れないようにしていますし、その先にライブ・ビューイングの実施を心待ちにしているファンの方々がいてくれると信じています。

より多くの人に「ライブ・ビューイングで」エンタメに触れてもらいたい

――業績が上向く中で、コロナ禍のダメージは大きかったそうですね。

コロナ禍は悲惨でした。大元となるライブやミュージカルなどの興行が軒並み中止になり、中継できるコンテンツがなくなる中で「緊急事態宣言」が発令されるなど、LVJは何もできない状況に陥り、追い打ちをかけるように動画配信プラットフォームが台頭し、興行の「生中継・生配信」のあり方にも変化が出てきて、LVJの業績はどん底まで落ちました。
また、我々が重要視している「没入感」の演出拠点となる映画館が「密」という判定を受けがちで、一席ずつ空けてチケットを販売しても、まったく売れないという苦しい2年間でしたね。

その後、有観客の興行が再開されるようになり、今まで「自粛」をしていたお客様たちが映画館に足を運ぶようになってくれたことは非常にありがたいことでした。さらに、アーティストやアニメ・ゲームなどのIPコンテンツも無観客の配信などの実績が積まれて、生中継に対するハードルがコロナ前に比べると下がったこともLVJからすると大きく変わったことの一つです。

ファン同士が映画館に集まり、同じ映像を一緒に大スクリーンで見るというライブ・ビューイングのニーズが高まってきたと感じたのを記憶しています。公演と同じ時間軸で「生中継」というそのとき限りの体験を求めてくれる方が多いのではないかと感じました。

個人的には、ライブ・ビューイングや配信など、お客さまがさまざまな形でエンターテインメントに触れることができる世の中になったほうが良いと考えています。ライブやミュージカルの会場へ実際に行けることが一番の理想だとは思いますが、物理的、経済的な理由で叶わない方もいると思うんですよね。

また、コアファンだけでなくライト層の方々が「見てみたいな」と思ったときに、そのエンターテインメントに触れることができるきっかけ作りをライブ・ビューイングを通じてやっていくのが僕の仕事だと思っています。それが叶えば、アーティストやIPコンテンツのファンを増やすことに繋がり、エンターテインメント業界全体に貢献できるのではと考えています。

気心知れた人たちと本音で仕事ができることがメリット

――アミューズグループとしてのメリットはどのようなところで感じていますか?

アミューズのアーティストやプロデュースを担うマネージャーのみなさんが、「ライブ・ビューイングをするならLVJ」と思ってくれていて、距離感が近く気心知れた人たちなので、本音で話しながら仕事ができるのはメリットですね。

あとは、新人アーティストの情報もいち早く知ることができますし、LVJのトライアル企画の実現機会をいただけたり、事業を通じてたくさんのチャレンジが一緒にできるのはグループ会社だからこそだと感じています。

>>後編では、アジアでの新会社立ち上げという新たな挑戦について語ります。

▽ライブ・ビューイング・ジャパン「アジアと日本を繋ぐハブになっていくことが当面の目標【後編】」
https://www.amuse.co.jp/topics/2025/04/post_270.html

*社員の所属部署などの情報は2025年4月時点のものになります。

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