アミューズの財産である「人」や「モノ・コト」などにフォーカスするTOPICSオリジナル企画、「アミューズ人(びと)」。今回は4月に入社した2024年度新入社員、すなわち「エンターテインメントの業界で働く」扉が開いたばかりの11名の「新人アミューズ人」が当社所属のアーティスト・小関裕太をゲストに迎えてのクロストーク企画。
後編は、小関裕太が6月8日に発売したフォトグラファーとして初の作品集「LIKES」の話から"モノづくり"をキーワードに新入社員ならではの切り口で深掘りしたクロストークをお届けいたします。
▽アミューズ人/小関裕太×24年入社 新入社員 クロストーク [前編]
https://www.amuse.co.jp/topics/2024/07/24_1.html
"好きを好きだけで終わらせない"
作品集「LIKES」を通じて知るモノづくりの源泉とは
小関裕太が29歳の誕生日となった6月8日に発売した「LIKES」は、雑誌『GENIC』にて4年間続けてきた写真連載を再編集、1冊にまとめたフォトグラファーとして初の作品集です。掲載作品に加え、小関自身が実際に描いた各回のコンセプトやイラスト付きのレイアウト、また、編集者さんやデザイナーさんへ宛てたコメントなども初公開されるなど、小関のモノづくりに対する姿勢やその過程もたっぷりと垣間見ることができる仕上がりとなっており、触発された新入社員たちの質問もより核心に迫るものとなっていきました。
「アーティストとして撮られる側の経験が、撮る側として生かされていますか?」という片山の問いに小関は「それはあると思います」と迷いなく答え、撮られる側の気持ちがわかるからこその距離感というものがあるのではないかと考察します。
「撮影も人対人ですし、カメラマンさんの距離感だって人によって全然違うんです。それはレンズと僕の物理的な距離感だけじゃなくて......本当に撮られているのかどうかわからないくらいにカメラマンという存在を感じさせない方もいれば、コミュニケーションをとりながら撮影される方もいて(笑)。自分が撮る側になったときに被写体の方にとって、なるべく心地よい距離感でいたいなっていうのは考えます。そこまで意識していませんが、レンズを覗きながらどこかで測っているような気がします」と、撮影は"これがいいな"という距離感やビジョンがあってのものなのではないかと語りました。
続いて伊藤から「写真を撮るうえで好きな構図だったり画角だったり、あればその理由とともにお伺いしたいです」と訊ねられた小関は「構図や画角もそうなんですけど、俳優目線でしか撮れないものを何か一つ持っていたいなとは思っています」と答えます。自分のカメラを買ったのは18歳の頃だったそうですが、特に写真の勉強などはしないまま概ね趣味として今に至っていると言います。
「最近になってようやく機材のことを調べたり、照明効果やテクニックについて勉強したりしているんですが、入り口が趣味だからこそ、写真を学んできた人にはないものもあるんじゃないかと思っていて。例えば"なんとなく惹かれる"という感覚にも僕がこれまで過ごしてきた経緯や、この仕事をしてきたなかで培われた直感みたいなものが反映されていると思うんです。だから、それを信じたいなって」と話し、さらに「LIKES」を例に挙げると「この本の最初のほうに僕の友達である佐藤寛太くんの写真が掲載されているんですが、彼も俳優なのでここでは"演じている場面"を切り取りたいなと思って。なので"前日にテーマとして"彼女に振られたのに、どうしても諦めがつかなくて『ちょっと考えさせて』と言った翌日の日曜の朝"というオーダーをして撮らせてもらったんです(笑)」と裏話が明かされる一幕も。「そういう自分が俳優だからこその"らしい"切り口とか......いろいろ模索中ではあるんですが、面白いコンセプトを持っていたいっていう気持ちはあります」と熱く語ります。
また、質問をした伊藤の趣味も写真だと知るや、「今はSNSがプロモーションツールとしても主流になっていますし、カメラの得意な人がマネージャーさんっていうのは、これからますます需要があると思いますよ。SNSで使われる担当アーティストの写真がクオリティ高くて、どんどん反響を呼ぶとか。それこそ趣味が仕事に繋がっていくことになるかもしれないですね」とアーティストらしい視点でエールを贈りました。
「モノづくりのアイデアが湧くとき、そしてモノづくりに大切なことは?」と質問した古川と永井の2人には「やっぱり初期衝動ですね」とこれまた即答。雑誌『GENIC』での連載タイトルを「スキ」としていたこと、そこから作品集を「LIKES」にしたことについても触れ、「好き・惹かれるとか、なんかいいなって自分がビビッときた瞬間の、その"「なんか」ってなんだろう?"が大事だと思うんですよね。それをもっと探ってみよう、解像度を上げてみようとすることが、アイデアが湧くきっかけになったりするので」と、好きを好きだけで終わらせないことが自身のモノづくりの源泉になっていると明かします。
加えて「大切なことは、やり切ること。実は最後までやり切るってすごく難しいんです。それを支えてくれるのは身近な人の励ましだったり、締切だったりするんですけど(笑)」と冗談めかしながら、「自分の掲げた夢が叶ったとしても、夢を叶えたあとに現れる夢というものもたくさんあるんです。僕はそれをたくさん経験してきているし、そういうものだと思っているので、自分の目の前にある"好き"をやり遂げてしまう恐怖心なんてまったく必要ないんです」と断言します。「どう評価されるかわからないとか、やり遂げた先にある怖さもわかりますし、もちろん最終的に人に求められることがエンターテインメントでは重要ではあるんですけど、まずは自分が信じた"楽しい"、"面白い"をたどり着かせることを大事にしてほしいです。たどり着いた先に見えてくる課題もたくさんあるはずなので」と訴えかけたその言葉はこれから様々な壁に直面するであろう新入社員たちを大いに力づけました。
「たくさん立ち向かって、一緒にいいものを創っていきましょう」
小関からのエールを胸にやる気に満ちた表情を浮かべた新人アミューズ人たち
「新人アミューズ人」たちは研修の一環として会社への理解を深め、モノづくりの基礎を学ぶため、社内やグループ会社の協力を得ながら当社の「コーポレートグッズを製作するとしたら?」という課題に取り組みました。自身のこだわりを詰め込んだ「LIKES」が発売されたばかりのタイミングということもあり、新入社員たちにとって初めてとも言えるカタチにしたモノづくりを小関にも見てもらうことにしました。グッズ製作は3〜4人の3チームに分かれて、企業メッセージやストーリーを考える企画からアイテム出し、そこにかかるコストも含め何度も打合せをして製作したサンプルは粘着クリーナー、4連メモパッド、トラベルポーチの3種類。アイテムの選択からデザインの細部にわたるまですべてを一から手掛けたそれらを小関にプレゼンします。
熱のこもった新入社員たちのプレゼンに小関が真剣に耳を傾けながら、粘着クリーナーの形に着目して「これはアミューズの"A"にちなんでこの形に?」と質問したり、メモパッドにデザインされたイラストに「かわいいですね。デザインやイラストの発注ってどうしてるんですか」など製作の過程を細やかに訊ねるなど興味津々の様子。また、トラベルポーチの材料がすべてアップサイクルで賄われているとのプレゼンを受けて「面白いなぁ。僕が学生時代のときも"3R(スリーアール)"、リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)というのを習っていましたが、その当時よりもさらに今はSDGsやエコの意識が身近になっているし、この世代だからこその感覚がこういう形になるんですね」と感嘆の声を上げる場面も。
「自分の手掛けたものが形になるって嬉しいですよね。僕の作品集もそうですけど、実物が届くと感動します。頭のなかにあったものが目の前に現れるんですから」と3チームをねぎらうと共に、モノづくりの醍醐味について共感しました。
すっかり打ち解けた楽しい時間もそろそろお開きとなり、最後に小関が改めて11名にエールを贈ります。
「アミューズには温かい人たちがたくさん集まっていますし、大きなことができるチャンスもいっぱいある会社だと思っています。でも、僕はそのことを必要以上に意識しなくていいと思っています。アミューズという会社ありきなのではなく、皆さんのなかから生まれる面白いものが先にあったうえで、"あ、それってアミューズなんだ!"って言ってもらえるほうが僕は素敵だなと思うんですよね。一人ひとりが何を創るか、誰とどういう関係を築くか、どういうチームにしていくのか、そういうことのほうが大事になっていくと思いますし、その結果が"アミューズらしいね"って言ってもらえるところに繋がっていくはずなので。固く考えすぎず、本当に面白いと思ったことや気になることにどんどんチャレンジして、ときには反対を押し切ってでも"私はこれをやり遂げます!"という強い想いで臨めばきっとゴールにたどり着けるので、たくさん立ち向かって、一緒にいいものを創っていきましょう」。
小関からのエールを受け、「はい!」と頼もしく声を揃え返事をする一同。盛大な拍手と最後には一丁締めで大団円を迎えました。
社会人としての一歩を踏み出したばかりの新入社員ですが、エンターテインメントの世界で日々モノづくりをする小関の言葉の数々に背中を押されたクロストーク企画となりました。これからのアミューズの未来を担う「新人アミューズ人」たちの活躍にどうぞご期待ください。
*社員の情報は2024年6月時点のものになります。